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人生100年時代のライフプランサポート

親の立場から生じる相続問題

これまでと異なるアプローチが必要

 相続問題は、親族間の積年の感情が表面化し、骨肉の争いとなるケースが数多くあります。生前にどれほど経済的な成功をおさめたとしても、ご自分の意思が反映された遺言でありつつも、相続人や関係者の納得が得られ、相続人から感謝されるような内容でなければ、「幸せな相続」とはならず、人生の最後に大きな悔いを残すのではないでしょうか。 

 相続問題については、多くの弁護士、税理士、信託銀行が取り扱っていますが、これまでは、法律上及び税務上(節税)の観点から、本人の意向に沿って公正証書遺言を作成することに力点が置かれてきました。その結果、公正証書遺言の作成前に、相続人や関係者の納得を得る工夫がなされていないために、相続人等が遺言の内容に納得せず紛争が生じたり、公正証書遺言を作成した後のフォローがなされていないために、相続人が事業承継や二次相続で税務上の不利益を被るケースが少なからずあるように思います。

 ソフィア法律事務所では、このような観点にたって、「幸せな相続」を目指す親の皆様に対して、以下のようなオーダーメードのサービスをご提案します。

 なお、相続人が事業承継や二次相続で税務上の不利益を被るケースにつきましては、信託銀行の行う遺言信託の問題点でご説明します。このような不利益を避けるためには、相続問題に精通し、豊富な経験を有する税理士との連携が不可欠ですが、ソフィア法律事務所では、この要件を満たす税理士法人と連携しています。

ソフィア法律事務所が提供するオーダーメードのサービス

1.財産目録を作成する

(1)遺族が相続財産の調査で困らない

 相当な資産家であっても、ご自身(配偶者がいる方は配偶者を含む)の財産を正確に把握し、その資料をファイル等に整理されている方は稀です。不動産や大きな借入については大体把握されていても、各預金口座の残高、有価証券・金・プラチナの残高、各種保険や個人年金の内容、宝石・書画骨董の明細等になると、正確に把握されている方は非常に少なく、その死亡後、遺族が相続財産を調べるのに苦労されることがよくあります。遺族にこのような苦労をかけないためにも、財産目録の作成及び資料の整理は必要です。

 また、高齢になると、認知症等のリスクも大きくなりまず。ご自分の財産を正確に把握できる年齢のうちに、財産目録を作成することをお勧めします。

(2)65歳以上の人生設計を具体的に考えることができる

 人生100年時代において、65歳以降の人生は、これまでのシニアが経験したことがないほど長いものとなります。65歳から死亡までの人生を充実した悔いのないものとするためにも、財産目録を作成することが不可欠です。ご自分の財産を正確に把握することによって、65歳以降の人生設計について、何時、どのようなことをしたいのか、そのために幾ら必要なのか、家族・お世話になった方あるいは社会のために遺産をどの程度残すことができるのか、遺産をどのように使って欲しいのか等を具体的に考えることができるからです。

(3)費用の目安

 50代までは、仕事や子育て等に忙殺され、財産目録を作成する余裕がない方が殆どではないかと思います。60代以降になって時間の余裕ができても、ご自分の財産目録を作成するとなると面倒で、なかなか実行できないということもあると思います。そのような方のために、ソフィア法律事務所では、ご依頼により、正確な財産内容を調査し、財産目録を作成します。整理されないままの書類(書類がない場合は、メモでも結構です。)をお持ち頂ければ、税理士法人と連携して、不足資料を取り寄せ、その他必要な調査を行って、財産目録を作成し、収集した資料を添付して、財産管理ファイルにまとめます。

 これに要する費用は、財産の多寡や調査に要する労力によって異なりますが、以下の金額が目安となります。

財産総額が3億円未満の場合       20万円

財産総額が3億円以上10億円未満の場合 30万円

財産総額が10億円以上の場合      要相談

 

2.人生設計について弁護士とじっくり相談する

 「財産目録」を作成して、今後の人生設計について具体的に考えると、ご自分のために幾ら使うのか、妻子に幾ら残すのか、誰に事業を承継させるのか、子供がいない場合は遺産をどうするのか、ご自分の葬式や墓はどうするのか等、様々な悩みが生じてくることでしょう。

 これらの悩みに対して的確なアドバイスをするためには、依頼者の財産や法定相続人を把握するだけでなく、依頼者の性格や価値観、家族関係、人間関係を深く理解し、依頼者から本音を打ち明けられるような信頼関係を築く必要があります。そのためには、相談を受ける弁護士や税理士が、法律・税務・判例について正確で最新の知識を有するばかりでなく、豊富な実務経験及び人生経験を生かしつつ、時間をかけながら親身に相談に乗ることが必要であると思います。

 ソフィア法律事務所では、依頼者と深い信頼関係を築き、ご満足いただけるアドバイスを提供するために、①相談を受ける弁護士は実務経験20年以上のベテランに限ること、②依頼者と毎月1回以上の面談を重ね、半年かけて(ご要望により、もっと時間をかけることも、短縮することもできます。)じっくりご相談に乗ること、③必要に応じ、実務経験20年以上の税理士が面談に同席し、税務上のアドバイスをすること、以上の3つを基本方針としています。

 これに要する費用(弁護士費用及び税理士費用を含みます。)は、ご相談の難易度、要する時間によって異なりますが、以下の金額が目安となります。なお、下記金額の支払いが必要な期間は、上記相談に要する期間(通常は半年程度)のみです。

相談頻度が月1回(2時間程度)の場合  月3万円

相談頻度が月2回(4時間程度)の場合  月5万円

3.今後の人生設計及び遺言の骨子を書面化する

 上記2の相談を経て、今後の人生設計の内容が固まってきたら、実現するうえでの法律上及び税務上の問題を詰めることになります。骨子の一例として、次のようなものがあります。

(1)今後の人生設計

①事業承継を、何時、誰に対して行うか。

②生前贈与をする場合、何時、誰に対して、どのような方法で贈与するのか。

③引きこもりや障害がある子がいる場合、将来、どうするのか。

④自分が認知症や要介護になった場合、誰に面倒を見て貰うのか。後見人を誰にするのか。

⑤遺産をどのように相続させるのか(遺言書の作成)。

⑥祭祀承継者(墓等の承継者)を誰にするのか。死後の法要は、どのような形を望むのか。

(2)遺言の骨子

 遺産をどうするかについては、公正証書遺言を作成することが多いと思いますが、ご自分の生きたあかしを遺言書に反映させることで、後顧の憂いなく、その後の人生を全うできるのではないでしょうか。

 相続人がいるケースといないケースでは、遺言書の内容が大きく異なってきますが、まずはご希望をお聞かせください。

4.関係者との協議を経て、緩やかな合意を形成する

 特に、相続人がいるケースでは、依頼者の意思を法的な観点(法定相続分、遺留分、特別受益、寄与分等)や節税の観点から検討して、公正証書遺言を作成するだけでは不十分です。公正証書遺言の作成前に、どのようなことを考えて各自の相続分や相続する財産を決めたのか、遺産を多く貰う相続人に対して生前にどのようなことをして貰いたいのか等について、関係者と協議し、その納得を得るように努力することが、将来の紛争を予防することに繋がります。

 例えば、次男や長女には遺留分相当の財産を相続させ、その他の財産は全て長男に相続させるという内容の公正証書遺言が作成されていても、次男や長女から、長男は特別受益を受けている(留学費用や自宅の新築費用を親に出して貰った)ので、自分達の遺留分を侵害しているという主張がなされることがあります。このような争いを防ぐためには、長男の特別受益について持ち戻し義務の免除条項を設けるという方法もあります。しかし、それでは、次男や長女の不公平感は消えず、遺留分相当の財産を相続しても親に感謝する気持ちにはなれないのではないでしょうか。長男夫婦が親の面倒を良くみていた場合には、次男や長女も納得するかもしれませんが、往々にして、長男夫婦は親の面倒を十分みてきたと思っても、次男や長女は、生前、親から長男夫婦についての愚痴をこぼされ、長男は親を大切にしていないと不満を持っていることも少なくありません。

 このような相続人の不公平感や感情の行き違いを解消するためには、公正証書遺言を作成する前に、弁護士及び税理士が同席したうえで、親がどのようなことを考えて各自の相続分や相続する財産を決めたのかについて、親がどの子にも配慮していることを説明し、今後、誰がどのように親の面倒をみるかについても親子間で率直に話し合い、関係者間でゆるやかな合意を形成しておくことが望ましいと思います。各自が相続する財産や誰がどのように親の面倒をみるか等について合意書を作成すれば、合意内容がより明確にはなりますが、今後の家族関係を考慮すると、合意書までは作成せず、ゆるやかな合意の形成にとどめた方が適切なケースが多いと思います。但し、公正書証を作成する時点では、親がどのようなことを考えて各自の相続分や相続する財産を決めたのかについて、親の考えを書面で残す等の工夫は必要だと思います。もちろん、このような書面の作成も、弁護士がお手伝いします。

5.定期的な見直し

 財産目録や公正証書遺言は財産目録や公正証書遺言は作りっぱなしにせず、定期的に見直しをすべきです。「人生100年時代」と言われる現代、最終的に公正証書遺言を作成しても、相続が生じるまでに長い時間がかかるケースも珍しくありません。公正証書遺言を作成した後に、家族関係が変化することも多々ありますし、財産目録の内容や資産価値が変化したり、税制が大きく変わることも考えられます。こうした変化があった場合、見直しがなされていないと相続が生じた時点で、相続税で不利益を受けたり、新たな紛争の種となりかねません。例えば4年に1回のオリンピックイヤーに見直すと決めて、弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。

6.遺言執行

 遺言の執行とは、遺言の効力が発生した後、遺言書の内容を実現させるための行為を意味します。遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な事務処理を行う者のことで、遺言者は、遺言で遺言執行者を指定することができます。遺言書の実現には、登記申請や預金の払い戻し、不動産引渡し、認知の届け出など、さまざまな手続があり、遺言執行者を指定しておくことで、遅滞なく遺言書を実行できるメリットがあります。個々の弁護士も遺言執行者になることができますが、当該弁護士が死亡すると遺言の執行ができなくなる事態もあり得ます。弁護士法人を遺言執行者に指定すれば、法人として永続性がありますので、遺言書の内容を確実に実現することができます。当法律事務所は、ここでも確実で安心できるサポートをご提供いたします。